どーも‼現役救命士のいちパパです‼
今日は、救命士を目指いしている人や救命士の方に向け、救命士に必要なスキルについて記事にしてみました。

救命士に必要なスキル
現場で活躍できる救命士になるには、大きく分けて2つのスキルが必要だと感じます。
そのスキルこそが、これから紹介する「冷静な観察力・判断力」と「コミュニケーション能力」です。
これらを高めていき、スーパー救命士を目指していきましょう。
それでは一つ一つ見ていきます。
冷静な観察力・判断力
これは消防士にも言えることですが、特に救命士の場合は重要です。
観察力とは、今起きている状況を観察することです。
そのままです。
観察することくらい誰でもできると思っていませんか?
観察は何を観察しなければならないのかを、知らなければ、それはただ見ているだけです。
では、救命士は何を観察しているのでしょう。
大きくこの2点になります。
- 状況観察
- 傷病者観察

この2点を見ていくと
救急車から降りる前から状況観察は始まっています。
交通事故現場なら、何がどのようになっているのか、車内から確認できると思います。
例えば
- 傷病者がうつ伏せで倒れている
- 事故車両からのオイル漏れがある
- 多くの人がまだバスの中に取り残されていそうだ
- 事故車両のフロントガラスは蜘蛛の巣様にひび割れている
いつも自然に出来ていることが、書き出すとたくさんあります。
自宅が災害場所なら、自宅の外観から搬送経路の確認や階数も分かります。
現場に着くと、傷病者にはすぐには接触できません。
家なら玄関に入り、傷病者がいるところまで時間があります。
この時救命士は、いろいろなところに目を配っています。
例えば
- 玄関は広いから、搬出には困らなさそうだな
- 玄関の靴で、大体の家族構成を見る
- 搬出経路の確認
- 生活環境の確認 掃除がしっかりされているか
- 傷病者がいる部屋の状況、身の回りの物の確認
- 嘔吐痕、出血痕の確認
工場なら
- 機械の稼働状況
- 労働環境
- 危険物の状況
主に状況を観察することで、2次災害の防止に役立ちます。
また、傷病者の危機にいち早く気付くことができます。
現場に慣れてくると、傷病者に接触する前から、「やばそうだな」というのが分かります。
こうなれば、状況観察はしっかりできているでしょう。
「やばい‼」に気づくのが状況観察です。
傷病者を隈なく観察します。
まずは顔貌や表情
そして、意識や呼吸、循環を確認します。
・呼吸の回数、性状、呼吸様式も確認
・循環では、脈の回数、強さ、リズムを確認
初期評価では、とにかく傷病者に触る、感じることが大切です。
ここも経験に左右されることがありますが、慣れてくると、パッと見て、感じて、触れば、やばいことは分かります。
全身観察で私が特に重要視しているのは、隠れているところまで隈なく見ることです。
もちろん、観察する時は声をかけてから行って下さい。
外傷事案では、特に重要です。
病院について、大腿部に開放性があったりなんてことも・・・
お年寄りは痛みを感じるのが、若者と比べると鈍いことがあります。
しっかりと観察しましょう。
急病の傷病者でも、体を見る、触る、聞くことは重要です。
私たち救命士は、病院にあるような診断できる機械は持っていません。
この傷病者に何が起きているのか把握するためには、己のスキルしかないのです。
コミュニケーション能力
救急現場では、様々な人とコミュニケーションをとります。
- 救急隊、消防隊、救助隊
- 傷病者
- 傷病者家族
- 警察官
- 医者
- 看護師
これらの人と連携を取らなければなりません。
現場では救命士という立場上、病院前救護のスペシャリストとして、現場を指揮しなくてはなりません。
「この傷病者はこうだから、このように救助してください‼」
「この傷病者に、必要な処置をしてから救助します‼」
など、傷病者ファーストで指示をします。
救助の知識も必要です。
ある意味、救助も出来て、救命士なんて最強です。
傷病者への問診も重要です。
病態把握にも役立ちます。
ただ単に聞いていても、中には本当のことを話したがらない傷病者もいます。
こちらが、あなたのために聞いていることをしっかりと伝えて誠意をもって対応しましょう。
中には、救急車で病院に行った方がいい傷病者が「私は病院が嫌いなんや‼」
といって頑なに拒否する人もいます。
こんな時は、傷病者家族とコンタクトを取り、何とか病院に行くように、説得してもらうこともあります。
傷病者家族には、不安を解消してもらうため、現在の傷病者の病態、病状を簡単に説明するよう心がけています。
また、傷病者が心肺停止状態の場合や、話すことができない場合は、家族からの聴取内容も重要です。
主に交通事故現場で連携を取らなければなりません。
交通遮断などを行ってもらわなければ、現場が危険な場合もあります。
そんな時、警察官と日ごろから連携を図っておけば、強い味方になるはずです。
警察官に高圧的に指示する、救急隊や消防隊がいますが、そんな指示では、警察官も手伝ってくれません。
丁重にお願いしましょう。
収容依頼・病院引継ぎ時や大規模災害時に主に関わるのが、医師や看護師です。
この中でも、救命士になって数年は病院連絡に苦戦することでしょう。
病院連絡では、主に携帯電話を使います。
非言語コミュニケーションが取れない状況です。
医師に正確に分かりやすく伝えるためには、現在の傷病者の状態をイメージさせることが重要です。
そのためには
結論を述べた後
シンプルに今の主訴、病態を伝えればOK
無駄に長い病院連絡はイメージしづらくなります。
シンプルな分、医師から聞かれたことは答えられるように、傷病者や家族から聴取、所見をとっておきましょう。
救命士は、病院研修があります。
この時、主に関わるのが看護師です。
しっかりとコミュニケーションをとっておけば、穿刺のコツなんかも気軽に教えてくれますよ。
顔の見える関係を作っておけば、病院連絡も病院研修もスムーズにいくでしょう。
まとめ
医療知識はもちろん必要です。
しかし、それ以外にも、冷静な観察力・判断力そしてコミュニケーション能力が必要なことが分かりました。
これが、欠けてしまうと現場をうまく回すことができません。
救命士に求められるスキルは、年々高まっています。
処置拡大によって、できる処置も増え、様々な病態を理解しなければなりません。
始めは誰でもうまくいきません。
失敗を重ねて、考え、改良して実行すれば、必ずいい活動ができます。
救急は一生勉強です。常にアップデートしていきましょう。
今日はこの辺で‼

